お知らせ
2025/12/12
(マタイによる福音書 1章23節)
クリスマスが私たちに届けてくれるメッセージは今、自分達は何を求めているかという求め方によってさまざまな意味があると思います。今日の社会は高度に発展した情報社会で、人と人が向き合って過ごすことも少なく、孤独と孤立が進んでいく様相を呈しています。
かつて、人は群れを成し、食べ物を分け合い、命を助け合って生きてきましたが、昨今、世界をめぐるニュースは、命を傷つけ合い、奪い合いあい、生活を破壊していく映像が伝えられてきます。このような目に見えるものにとどまらず、家族の中での孤立、学校でのいづらさ、友人への不信など目に見えない形でも私たちを苦しめています。
このような現実にクリスマスは光をもたらしてくれます。イエスの誕生はこの現実を乗り越える力に気付かせてくれます。
イエスはユダヤ人として生まれ、現在はイスラエルの北側にあるナザレの地で育ちました。イエスが生まれ、育った時代もユダヤの国はローマの支配下にあり、希望の持てない社会のようでした。厳しい差別と、偏見にがんじがらめになっていた貧しく、虐げられた人々に暖かなまなざしと、癒しの手を差し伸べずにいられなかったイエスの生きざまは、2000年もの間、聖書をとおして伝えられ、信仰の先達の献身的な働きを通して、多くの人々を勇気づけ、励ましてきました。生きるのに困難な時代であればあるほど、「神は私たちと共におられる」といメッセージを心として、イエスにならって、互いに助け合い、信頼し合い、愛し合って生きていく者となることが勧められます。
わたくしたちも主の見守りのうちに歩む群れとしてクリスマスを迎えます。
世界中に主の慰めと平安があることを祈ります。
2025年 クリスマス
理事長 遠藤久江